今から1年ちょっと前に、前後ブレーキキャリパーのOHをしており、マスターシリンダーは『大丈夫だろう・・・』という、何の根拠もない『・・・だろう』により手をつけておりませんでしたが、正月の初ツーリングに向けてエンジンを掛けてコンディションを調えておかねばと思い、家の近所をチョロっと走らせたときのことでした。
リヤブレーキを踏んだら、フニャ~~っとして手ごたえ(足か?)がなく、まったく効かなくなっておりました。
キャリパー周りもマスターシリンダー周辺も、ホース類からもフルード漏れはなく、いつも停めている地面にもそれらしき形跡もなかったので、ネットで調べてみたところ、リザーバータンクとマスターシリンダーを繋いであるジョイント部分の内部のOリング(ゴム部品)の劣化により、微妙な隙間が開いて、そこから負圧のエアーが入ってスカスカになったのだろうということになりました。
今年で18歳になるバイクなので、ゴム部品はあちらこちら劣化しているだろうと思って、数年前から気づいたところをチョコチョコ交換してたんですけどね。
過去のメンテナンスなど → CB1300SFブレーキキャリパーOH
ユーザー車検はコチラ → CB1300SFユーザー車検記事
とりあえず分解してみて、状況を確認します。
赤い矢印の部品がマスターシリンダーですが、その前にステッププレートなどを外していきます。
ここはマスターシリンダーをステッププレートに取り付けてある部分ですが、8番で緩めます。
マスターシリンダーもステッププレートも外れたら裏返して、割りピンを抜いてブレーキペダルから繋がっているブレーキロッドその他を外します。
このホースの付け根の奥の方にあるOリングが今回の不具合の原因です(たぶん)。
とりあえずラジオペンチで留め金を横にスライドさせて、ホースは引き抜いてしまいますが、ブレーキフルードが滴り落ちてきますのでご注意を。
そして、スナップリングと呼ばれるC型のような留め金を、専用工具「スナップリングプライヤー」で外します(この工具はナフコにも売ってあります)。
こんな感じでリングをつまんで、内側に縮めて引っこ抜いて、黒いパイプの継ぎ手のようなやつも引っこ抜いてやります。
この継ぎ手部分も新しいのに交換するので、つぶれてもいいので、ラジオペンチでしっかり掴んで思いっきり引き抜きます。
そして継ぎ手を引っこ抜いてやると、中にゴム製のOリングがあります。
これが長い年月をかけて、知らないうちにヘタってしまい、外から空気を吸ったり、中からフルードが漏れ出したりする部分です。
バイクもクルマも基本的な原理は一緒ですから、10年以上前の古い車両は要注意です。
継ぎ手を外すと問題の部分が現れますが、外部から水気を吸ったことにより、Oリングの部分が少し腐食(アルミ独特の錆)してましたので、パーツクリーナーと歯ブラシを使ってゴシゴシして汚れなどを落としておきましょう。
今回は、マスターシリンダー内部のピストンも全部交換しますので、その部分もバラシていきます。
ブレーキホース取り付け部分と同様にスナップリングを外せば全て中身を取り出せますが、バネの力で押し出されるので、顔に飛んでこないように注意しましょう。
マスターシリンダーを逆さまにした図です。
あとは部品が届くまで放置です。
部品の発注は、パーツリストの該当ページのコピーと車検証のコピーを持っていくと、バイク屋さんにも間違いなく伝わります。
黄色い〇の部品が今回の原因ですが、バラしたついでに赤い〇の12番の部品一式も交換するべく発注します。
> 『ブレーキの話(後編)』 へ続く