雇っていた労働者が業務中の事故により重傷事故を負った場合、または死亡した場合、事業主さんはかなり高い確率で書類送検されます。109381

 

 

 

 

 

 

労働者を雇い入れた場合、労働保険や社会保険に加入させるなど、事業主さんには一定の法律上の義務が課せられています。

この労働社会保険料の負担を逃れようとして、雇い入れた者と請負契約を取り交わしたように見せかけることを、一般的に偽装請負などと呼びます。

ある大工さん(仮にAさん)が、別の業者さん(仮に電気工事業者Bさん)に、電気工事の仕事を依頼することも請負契約の一種ですが、この場合、AさんからBさんに「金額は○○万円で、電気工事の一切を任せる。」という依頼だけで、あとはどのような日程や時間配分で仕事を進めていくか、Bさんで自由に決めることができれば、正しい請負契約の形であると思われます。205265

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、Aさんから具体的に「朝は8時に来てもらい、自分(A)の指示で動いてもらう。日当は一日8,000円。」と言われれば、請負契約ではなく、”労働契約”になります。

請負契約だと、仕事中に負傷等した場合、AさんもBさんもそれぞれ自分の責任で処理しなくてはならないのですが、労働契約だと仕事中の負傷等に対しては、使用者責任や危険負担の原則などから、事業主さんにも一定の補償責任が課せられます。

そして、その事業主さんの補償責任を国が代わりにやってあげましょう、というのが労働保険と呼ばれる国の制度で、一部の業種を除いて強制加入とされています。

しかし、”業務に関して具体的な指示を与え、自社の労働者として使用している”にも関わらず、請負契約であると、あるいは業務委託契約だと言い張って、法律で定められた手続きを行わないことは、もはや脱法行為を通り越して違法行為であると言えます。

営業社員を上記に類似した形で、「雇入れから2カ月間の賃金保障はするが、3カ月目からは契約が取れなければ賃金は払わない。」という請負契約(または業務委託契約)だと言い張っている会社があるとすれば、ブラックと呼ばれても仕方ないと思います。182320

”営業社員”ですからね。

 

 

 

 

労災事故が発生し、被災労働者から労災保険の申請があれば、労働基準監督署は必ず調査を行ないます。

請負契約書などを作成し、形式を整えて見せ、どんなに請負だと言い張っても、実態が”労働契約”であると判断されれば、それまで納めていなかった労働保険料があればそれを最大で2年遡って支払わなくてはならなくなったり、悪質な労災隠しであると判断されれば、治療費のすべてと、後遺症が残った場合のその後の補償などをすべて事業主さんが負わなければならなくなることもあり、違法行為のなかでも悪質なものとされています。

こんな20年以上前に絶滅したような姑息なやり方に、自分と同じ社労士が関与しているとは思いたくありませんが、実際に社労士が入れ知恵している例があるそうなので、事業主さんも労働者の皆さんもご注意ください。