現行の政治資金規正法が全く役に立たない「ハリボテ欠陥法」だという事だけはハッキリしたようだ。 

自民党の派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件で、最大派閥「安倍派」(清和政策研究会)の歴代事務総長ら幹部議員について、東京地検特捜部が立件を断念する方向で調整している、などと報じられ、SNS上で怒りの声が拡大している。  

 特捜部は安倍派の事務局長兼会計責任者の男を、政治資金規正法違反(不記載、虚偽記載)容疑で立件する方針を固める一方、同派の歴代の事務総長を聴取。

 政治資金規正法の時効にかからない2018年以降、下村博文元文部科学相(69)、松野博一前官房長官(61)、西村康稔前経済産業相(61)、高木毅前党国対委員長(67)が事務総長を務めており、そろって特捜部の調べに対し、「会長案件だった」などと説明。

 このため特捜部は、会計責任者との「共謀」の立証が困難と判断しつつある、というのだ。  

だが、公訴時効にかからない2018年からの5年間で、安倍派では裏金化の総額が約6億円にものぼる。  神社のさい銭箱から数百円、数千円を盗んだ泥棒だって逮捕、起訴されるのに、億単位のカネを常習的に隠し続け、場合によってマネーロンダリングしていた可能性すら否定できない裏金を作っていた“半グレ集団”のようなグループを束ねる幹部が「無罪放免」では、国民も納得できないのは言うまでもない。  

 13日、ネット上では《#検察は巨悪を眠らせるな》という単語がトレンド入りしたが、それだけ、国民は安倍派幹部の「立件断念」報道に危機感と怒りを募らせているのだ。

《こんなバカなことがあるのか。規正法をすぐに改正して連座制で半グレ集団を摘発しろ》

《億単位のカネを隠して無罪放免とは。規正法が悪事の隠れみのになっているな》

《政治家が悪事に手を染めたというよりも、悪党が政治をやっているとしか思えない》

「諦めたらそこで終わり」。検察にはまだまだ踏ん張ってほしい。

 前兵庫県明石市長で弁護士の泉房穂さん(60)は、X(旧ツイッター)で「リクルート事件の時と同様に、今回も特捜部は”究極の忖度”をするようだ。『”特捜部”刷新本部』が必要かも」と憤り、派閥の会計責任者との共謀が立証困難との報道に「立証が困難だとは思えない。弁護士時代、数多くの刑事弁護もしてきたが、一般国民の場合には、状況証拠だけで共謀を認定している。安倍派幹部だと立証困難とは、何か裏の事情があるのだろうか」と疑問を投げかけた。