岸田文雄首相(65)は「一体化にメリットがある」と繰り返しているが、ネット上では《デメリットしか感じられない》と批判の声が続出しているマイナンバーカード。 

同カードを健康保険証として使う「マイナ保険証」をめぐっては、本人とは全く違う別人の情報がひも付けられていたケースが複数発覚したほか、オンラインで保険資格の確認ができるシステムを導入している医療機関の7割以上で「保険者の情報が正しく反映されない」といった事態が発生。

同カードの個人向けサイト「マイナポータル」でも、他人の年金記録が閲覧可能となっていたことが判明するなど、次から次へと新たなトラブルが絶えない。

もはや今の制度設計に不備があるのは明々白々で、改めて運用開始について再考するべきだが、岸田首相は12日の衆院決算行政監視委員会でも、現行の健康保険証を2024年秋に原則廃止する方針に変更はないと明言。指摘されている問題については「マイナンバーカードが、デジタル社会のパスポートとして本格的に機能していくためには、個人情報の保護と国民の信頼確保が前提であり、重く受け止めている。国民に心配をかけていることを申し訳なく思っている」と陳謝する一方で、「一体化にはメリットがある」と強調した。

「一度決めたら 二度とは変えぬ」ーー美空ひばりの曲「人生一路」の歌詞ではあるまいし、なぜ政府がマイナンバーカードの早期普及にここまで意固地になるのか。

国民はカードの利便性を否定しているのではなく、今のままだと、深刻な個人情報の漏洩につながりかねないと不安を覚え危惧している。

その思いが「国民の声を聞く」と言っていた岸田首相にはなぜ、届かないのか?  そんななか、SNSを中心に囁かれているのが、《庶民いじめのマイナンバーカードよりも先に国会議員カードを作れ》といった声だ。

《国会議員カードを作って、年間3000万円といわれる議員歳費、年間1200万円の調査研究広報滞在費、政党からの振り込み……など全部紐づけできるようにしてほしい。もちろん国民が調べたら分かるように》

《マイナカードよりも政治資金の流れがすべて公になる国会議員カードを持たせる方が先じゃないの》 《名前を打ち込むとカネの流れがすべて分かる議員カードか。いいね》

 半ば冗談めいた投稿とはいえ、マイナンバーカードによる個人情報漏洩を懸念している人たちが、制度導入を強引に進める国会議員を皮肉っているらしい。確かに国民にとってはメリットがあると言えそうだが……。

身内に甘いやり方は先々代の総理から踏襲してるようだ。