物価高に高額の社会保険料、それでも上がらない給料に国民が喘ぐ中、閣僚らの賃上げをする“驚きの法案”が提出され注目を集めているが、岸田文雄首相(66)が11月1日午前中の参院予算委員会でこの法案について初めて自身の考えを示した。

 臨時国会が開会した10月20日に岸田内閣が提出したのが、閣僚らの給与引き上げ法案「特別職の職員の給与に関する法律」の改正案。今回の法案が成立すると、首相が年間約46万円の賃上げに、大臣が約32万円の賃上げとなる。 「閣僚らの月給引き上げは2015年以来8年ぶりです。今回の法案は、今年8月の人事院勧告で、“一般職”の国家公務員の給与が引き上げられるのに合わせて、“特別職”も上げるという内容。しかし、人事院の勧告には“特別職”についての言及はないので、“一般職”に連動して自動的に閣僚の給与も引き上げられるわけではありません。

 閣僚らの給与を引き上げる法案を出すか出さないかは岸田内閣の判断です。

 首相は3割、大臣は2割の歳費を国庫返納しているとはいえ、国会議員の給与は年収2200万円程。閣僚ともなれば年収4000万円と高額なので、賃上げの必要性があるほど低い額ではありません。

 焦点となっている減税が“月額たったの3333円減”と言われている中で、自分たちの給料は率先して上げるとなれば、国民は納得しないでしょう」(全国紙記者) この法案に対する国民の怒りは当然で、X(旧Twitter)では「驚きの法案」が政治のトレンド入りをするなど注目を集めている中、日本維新の会の音喜多駿政調会長(40)が法案について岸田首相に次のように質問した。 「総理、本当にもったいない。間違ったメッセージが国民に伝わっています。いくらなんでも総理が月々6000円の給料をあげたいからこの法案を出しているとは、私も思いません。でも国民からどう見えますか? 賃上げも追いついていない。社会保険料の負担もきつい。 ちょうど今月、社会保険料の算定基礎が変わるので、給与明細見たらまた社会保険料が増額されて手取りが減った、そういう方も多いと思います。その中で、国民を差し置いて総理が給料アップで、月給だけで年間7万2000円です。経済対策で給付される金額よりも多いわけです。これでは到底国民の多くの理解は得られません。ここは総理、給与アップ法案、見直すなり、取り下げるなりするべきだと思いますが、見解を伺います」

 すると岸田首相は手元の紙を見ながら抑揚のない声で、「特別職の公務員の給与については、一般職の公務員の給与改定に準じて改定してきているという話でありますが、このことが国民の不信を招くというご指摘でありますが、これは不信を招かないようにしなければなりません」と、あくまで“不信を招かないよう”と前置き。

 さらに「この法律にかかわらず、閣僚の給料については内閣として行財政改革を引き続き推進する観点から、内閣総理大臣3割、国務大臣2割を国庫へ返納する、これを申し合わせをしてきているところでありまして、例えば、これ給料についても、内閣総理大臣、年間法律に従って46万円上がるとしても、返納額は1218万円であります。国務大臣も引き上がりが32万円だとしても、返納額は592万円であります」と、まるで“返納してるんだから微増の賃上げくらいいいだろ”と言わんばかりの回答をした。

 最後は「ぜひ、閣僚自らこうした姿勢を示すことによって、こうした国民のみなさんから不信を招かない努力を続けていきたいと考えております」と締めくくった。

 返納しているとはいえ、首相の場合、3割引いても年収約30万円アップになることには変わらない。

首相の決定にSNS上では多くの人が怒りを爆発させている。

《賃上げ実現賃上げ実現て そっか自分のこと 言ってたのか 岸田文雄は》

《岸田の給料のために働いて税金払うの嫌だ》

《岸田さんが自分らの給料だけアップするというニュースを見て泣きそうになった。もう日本は終わりだわ》

《真面目に働いている国民が苦しみながらやっと生活しているのに、自分の給料を上げる?! どこまで国民を馬鹿にしたら気が済むんだよ》

《岸田さん、こんなにバッシング受けてて自分たちだけ給料上げます!ってどんだけツラの皮厚いんだ??そんなんで国民の声を聞かないから悪口ばかり言われるのでは?》